【東芝テック×ワークスタイルテック】シリーズAの資金調達!
店舗向け労務管理とPOS領域での連携でデータを活用した新事業へ!

インタビュー日:2021年8月3日

プロフィール

東芝テック株式会社

吉村 公一 様東芝テック株式会社 新規事業戦略部 CVC推進室 参事

ワークスタイルテック株式会社

Gustavo Dore 様ワークスタイルテック株式会社 代表取締役

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【マッチング事例インタビュー】東芝テック×ワークスタイルテック

連携でグローバルな展開を期待。
HRTechに新しいオープンイノベーションを目指す。

ドリー氏:私の名前はドリーと申します。ブラジル人で日本に住むのは14年目になります。
日本に文部科学省の奨学金で来て、そのまま大学院経由で卒業し、ソニー・リクルートを経て自分の会社を立ち上げました。
事業内容は、DXをやっている中でまだ遅れていた分野、パソコンが苦手な方々たち(飲食店・ドラッグストア・スーパーなど)の非正規雇用分野のDXの普及をしています。
なぜ遅れているかというと、そもそもデジタル基盤がないということ。
そこで人事のデジタル基盤を提供しようと思って、クラウド労務管理の事業を立ち上げました。『welcome HR』という商品です。

吉村氏:東芝テックでCVCを担当しております吉村と申します。よろしくお願いします。
東芝テックは、小売様/飲食様向けのPOSシステムを提供している会社になります。あまり知られてないのですがプリンティング事業も行っていて、オフィス向けのMFP(複合機)も扱っております。
我々は新規事業戦略部CVC推進室という部門になりますが、スタートアップ様へのマイノリティ出資を通じて、協業の推進や小売/飲食様向けの新規事業開発を作っていくことをミッションに、その一つの手法としてCVCを採用して取り組んでいます。

お互いの第一印象について

ドリー氏:吉村さんのペルソナが面白くて、明るくてエネルギーがあるところが私にとっては大事でした。私たちに興味を持ってくれているのもそうですが、そもそも東芝さんは、ブラジルではすごいブランドで、日本よりブラジルの方が印象強く、関われるだけでうれしいなと思っていました。東芝テックさんはグローバルに事業展開していて魅力的で、もっとお話しが聞きたいと思っていました。
また、スタートアップ協会に参加して東芝テックさんのお話しすると、周りが良い印象を持たれていて、関係を続けても安心だと思いました。

吉村氏:ドリーさんの第一印象は、日本語がうまいなと思いました。私も2.3年前に海外を担当していて、海外のスタートアップの方とお話しする機会が多かったのですが、ドリーさんと話していると、日本人かなと思うくらい上手で、すごく謙虚な印象があって話しやすいという印象でした。

投資決定までの流れで考えていたこと

ドリー氏:スタートアップでお金がほしいというのはありますが、他のプレイヤーとは違って、東芝テックさんはすでに弊社のお客様と関わっているというメリットがあり、すぐ事業シナジーがなくても早めにお客様の情報を手に入れたり、弊社の商品に対して意見を出してくれるところがあって、今後遠いところでも繋がれるのもあり、東芝テックさんと事業ができたらうれしいなと思っていました。

吉村氏:投資領域として、HRTechを担当して調べていたこともあり、ドリーさんの事業内容を聞いたときに非常に面白そうだなという印象を持ちました。
商材としては入社手続きのSaaSになると思いますが、世の中には正規採用向けの商材が先行している状況でした。
私も入社手続きの領域は詳しくなかったのですが、ドリーさんと会話していく中で非常に顧客のペインにフィットしたソリューションだなと思うようになり、私も独自でそこの領域を調べていく中で、ここは成長する領域だと確信を持てたので、そこから本格的にDDを実施して、3か月ぐらいで投資を決めたという流れです。

ドリーさんから見て東芝テックさんの印象は?

ドリー氏:私たちからすると、非常にスタートアップにフレンドリーだなと感じていて、今回のラウンドで30社ほどのVCとお話ししたのですが、『タイミングが違う』『業界が違う』など色々ある中で、『一緒にやろうぜ』みたいな気持ちが東芝テックさんにはあって、他社さんはお金を出すだけやスタートアップをコントロールしたがっていたが、東芝テックさんは並行で一緒にやっていくスタンスだったので安心感がありました。
また、お金を受けて何年も一緒にやるとなったときに一緒に仕事しやすい人たちとできたらなと思っていました。

投資の決め手

ドリー氏:パートナーシップ、事業シナジーがあって、吉村さんとの信頼関係もできたので、東芝テックさんから誰かアドバイザー的な感じで入ってもらいたいと思っています。また、スタートアップで7名の小さな会社で私自身元々商品づくりの人なので、ビジネスの知識がまだ足りない部分があり、成長するにあたって1から100の部分で、アドバイスをもらえそうだと思ったのでぜひお願いしたかったです。

吉村氏:まず事業の成長性があるということが出資をする上で重要であったこと、あとはドリーさんの人柄とCOOのイーゴルさんを含めたチームを評価しています。
日本から海外に進出するスタートアップがなかなか出てこない中で、ドリーさんもイーゴルさんもブラジル出身であり、日本で実績を積んで将来海外に進出するところに対して期待したいですね。

人柄、チームについて詳しくどのあたりがポイント?

吉村氏:経営者の方のパーソナリティは様々あり評価するポイントも様々あると思いまますが、今後会社が成長する過程で「0から1」「1から3」「3から10」「10から100」とステップを踏むと今まで経験してないことが出てくる中で、そこで謙虚に人の意見を聞きながら成長していくことが必要な要素だと思っています。
ドリーさんはそういったパーソナリティをお持ちだと思いますし、そういった方と今後もやっていきたいと思ったのも1つのポイントですね。

今後の連携について

吉村氏: 我々はPOSベンダーですが、我々のミッションはPOSだけでなく小売/飲食様向けの周辺領域の新規事業を作っていくところがミッションです。
小売/飲食様を取り巻く課題としても、人の課題は非常に多く、DXがまだ進んでいない領域だと思っており、その中でHR Techは今後大きな可能性があると思っています。
今後は、welcome HRという商材と我々のPOSが持つ販売網を生かしながら、顧客の紹介をしていきたいと思っていますが、それだけではなく、将来的にはPOSデータ×HRデータを活用したソリューションや小売/飲食様の人の課題を解決できるようなソリューションづくりを一緒に取り組んでいきたいと思っています。

ドリー氏:私たちも人の課題・仕事の課題を解決したいと思っています。特にPOSレジを使っている店舗の非正規雇用で『賃金が安い』など、色々困っている中で、POSデータと人事のデータを組み合わせて、もっとうまくいくソリューションを考えたいと思っています。
東芝テックさんもグローバル展開しているので、私たちのグローバル展開のサポートもありつつ、私たちが見つけていない人事分野の新しい課題を発見して、新しいオープンイノベーション的なことができたらうれしいなと思っています。